「トルコ・ユーラシア協議事項」 第40回

ユーラシア地域の戦略的な重要性を持つ国カザフスタンが、ラテン文字表記を導入しています。私たちも今回、カザフスタンのラテン文字への切り替えの決議を分析します。

「トルコ・ユーラシア協議事項」 第40回

カザフスタンでラテン文字への切り替えに向けた活動が続いています。この過程でどのような文字が現れるかが、ユーラシアとトルコ世界で関心を持たれています。筆者は言語学者ではありませんが、国際関係の分野でも文字の重要性は大きいということが言えます。なぜなら文字は世界における社会の立場を明らかにする重要な役割を果たしているからです。そもそも、トルコ系言語では書き記すために多くの文字が使われています。技術的な面からみると、言語における音声を文字がどの程度反映しているかが重要です。

カザフスタンのヌルスルタン・ナザルバエフ大統領は、ラテン文字への切り替えに向けた最も確実な発表を、2012年に公表された2050年戦略文書の中で行いました。確実な移行に向けて、2025年が目標とされました。2018年に教育分野でラテン文字への切り替えを開始し、この過程を2025年に完全に完成することが計画されています。経済的には文字改革に向けて6億テンゲ(約2億円)の予算があてがわれました。

トルコ系言語にとって、ラテン文字表記の使用は新たな進展ではありません。クマン族の本は、14世紀初頭にキプチャク・トルコ語の方言でラテン文字を用いて書かれました。トルコ共和国は1928年に導入されたラテン文字に切り替えました。ソビエト連邦の崩壊後、1991年にアゼルバイジャンとトルクメニスタン、2001年にウズベキスタンが同様にラテン文字に切り替えました。

近代史を見ると、1926年にバクー総会で採られた決議により、トルコ系諸国で急速に発展したラテン文字への切り替えが、トルコ系諸国において言語と文字がすべてのトルコ系民族にとって共通の文字として公式化されたしばらく後に、ソ連中央施行総会は、1935年6月にラテン文字への切り替えの手続きは大きな過ちであり、その責任は新文字委員会にあると宣言しました。このことは、そもそも短期間で広まったトルコ系諸国のラテン文字連合の時期にとって、問題の発端となりました。この時期の最後には、どのトルコ系社会でも、表音文字に基づく18のキリル文字が適用されることになりました。

カザフスタンでこの件に関する言語学者の活動の結果作成されたラテン文字表記の提唱が、議会に提出されました。以前は42の文字から成っていたカザフ文字は、議会に提出された文字により、25字に減らされました。しかし、カザフ語にある8つの母音の発音のために、2つの文字を揃って使用するという状況が生まれました。オメル・ハリスデミル大学の研究員トゥルガイ・デュエン氏によれば、この使用方法は文字の数を減らすために有効な方法ではありますが、カザフ語の読み書きを難しくするものです。文字を考案する際に単音に1文字を当てはめる原則とともに、他のトルコ族の言語と近くなることも重要な原則として考えることが有益となるでしょう。そのためにトルコとアゼルバイジャンの音声と同じであるカザフ語の音声にとって、この文字の同じものを受け入れることが可能です。

もちろん、この過程には政治的側面もあります。ロシアは、ロシア語が話される地域に大きな関心を寄せています。ロシアはもちろん、カザフスタンのキリル文字撤廃を望まないでしょう。それを阻止するために、対抗措置を取る可能性もあります。ロシアが、カザフ国民のこの自由な選択を理解することを望みます。

文字の選択は、ある意味カザフスタンにとっての政治的な選択です。カザフスタンはいつまでもソ連を連想させる存在でしょうか?それとも一部となっているトルコ系諸国や欧米社会と協力していくでしょうか?トルコ、アゼルバイジャン、トルクメニスタンは今日では様々なラテン文字を使っています。キルギスもこの方向での計画を立てています。トルコ系諸国の他の地域がラテン文字に切り替える中、カザフスタンがトルコ系諸国の大部分とかけ離れたままでいることは考えられません。

カザフスタンのラテン文字への切り替えは、同国の精神的・文化的な進展において歴史的な変革期です。過去の歴史、文化、土地とともに、言語は常に民族や国家の主要な連帯の源となっています。この方向でカザフスタンが独立を宣言した最初の日から、ナザルバエフ大統領がカザフ語の発展を大いに重要視してきたことがうかがえます。

カザフスタンは文字改革により欧米の文明にさらに近づきます。また、文字改革は、ラテン文字に切り替えた他のトルコ系諸国とカザフスタンの雰囲気や文化的関係にも良い影響を与えるでしょう。トルコ系諸国の長老、ナザルバエフ大統領の主導により、カザフスタンのラテン文字への切り替えは、カザフスタンを世界の先進国とする目的と、トルコ系諸国での文化的連帯を目標にした歩みとみなすことができます。

アタテュルク大学国際関係学部ジェミル・ドアチ・イペク博士の見解をお伝えしました。



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