「アナトリアの伝説」 第41回

今日は、エラズー地方の伝説をお伝えします。

「アナトリアの伝説」 第41回

エラズーは昔の名前をハルプトと言い、多くの伝説があります。今日お伝えする伝説は、竜の石についてです。

竜は大昔の人間の想像物で、多くの伝説を持ち、大きく、たいていは人間に害を与える怪物として語られます。子どもたちがいたずらをすると、大人は竜が来るよと言って怖がらせます。ギリシャ神話からトルコ族の伝説デデ・コルクトまで多くの口承伝説で、竜についての逸話があります。

ハルプトの近くに、黒い石の一群があります。この石の一群は、1頭の竜とその子どもたちのものだと信じられています。ハルプトを見渡すように、頭を空にもたげる巨人のような黒い石があります。土に埋もれた、その両側に子どもたちがいる竜の一家がいると、広く信じられています。

伝説によれば、大昔に、巨大な怪物である竜が町を攻撃しました。人間、動物、畑、庭が、竜の攻撃に遭いました。この竜の子どもたちもいるはずでした。この竜がもたらす害から一向に救われないハルプトの住民は、「どうしたら助かるだろう。」と言って、考えを巡らせました。

ある夏の夕方に、再び竜の声がして、大きな口から吐き出される炎が木々や家々を焼いていきました。子どもたちをおなか一杯にしようとする竜は、立ち向かう者に容赦しませんでした。

多くの英雄が竜を退治しようとしましたが、うまくいかず、命を落としていきました。

ハルプトの住民は、当時の大宗教指導者たちも呼び寄せて、この災厄から救われるよう懇願し始めました。祈りが行われ、供物が捧げられました。無垢な子どもや宗教者の祈りが届いたのか、町に近づいていた竜を神がその場で石にしてしまいました。

体の半分が土の下に埋もれた竜の母親と子どもたちの姿は今日も見ることができます。真っ黒な石の塊となった竜を、今日は訪問客が見学しに来ます。人々は今日でもこの石に近づくことを恐れています。いつかエラズーとそのすぐ隣りのハルプトを訪れることがあったら、竜の石を見に行ってみて下さい。


キーワード: アナトリアの伝説

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